あうとわ~ど・ばうんど

藤井郷子 / インビジブル・ハンド

先月25日の藤井・田村・瀬尾・小山ライブ時、この旧作も買っていた。

インビジブル・ハンド (CSJ0001/0002)

インビジブル・ハンド (CSJ0001/0002)

藤井郷子(p)


茨城県水戸のジャズ喫茶「Cortez」における昨年4月のソロライブ2枚組、店主宰レーベルからのリリース。1枚目はインプロ、2枚目は自作曲が中心で、そのぶん2枚目のほうが音楽に入り込みやすいかもしれない。藤井さんのピアノおよび楽曲の魅力は、複雑さや幻想性や過激さやらの中から滲みだしてくる「叙情性」だと思う。聴いているこちらが恥ずかしくなるようなセンチメンタルな情動は男性ピアニストに多く、聴けば聴くほどに頭の奥が冴えてくるような乾いた詩情は女性ピアニストに多い、というのが(ジェンダー論からみれば乱暴な物言いだろうが)私の印象で、後者の代表が彼女ということになる。