あうとわ~ど・ばうんど

照内央晴・松本ちはや / 哀しみさえも星となりて

いささか時機を失してしまったが、札幌くうで8日のライブ物販で購入していた。

哀しみさえも星となりて

哀しみさえも星となりて

照内央晴(p) 松本ちはや(per)


北海道ツアーに松本さんは持ってこれるだけの打楽器類を持ってきたもののフルセットには程遠いらしかったが、それでもアルバムから観取されるようなイメージ喚起力に富む彩り豊かな響きは味わえたように思う。照内さんのピアノはありそうであまりないタイプと聴こえたが、紡がれる旋律も内部奏法もパーカッシブなクラスターも全ては一本の経糸でつながり、どこか和情緒をも感じさせる。という意味では、日本人フリージャズの伝統に連なる演奏といってもよいだろう。ところで音楽には時間芸術の側面があって、時間が止められるような心地がしたり、伸縮した気分にさせられたり、さまざまな感じ方をするものであるけれど、ふたりの演奏はというと、音の「エントロピー」が時間容量にそのまま遷移するような不思議な感覚がある。


参考動画(くうでのライブを、照内さん本人がアップしていた)
www.youtube.com