あうとわ~ど・ばうんど

Anthony Braxton's Charlie Parker Project 1993

引き続き中古盤を聴いていく(ヴァンダーマークの6枚組新作も届いているが)。

Charlie Parker Project

Charlie Parker Project

Anthony Braxton(sopranino, as, contrabass cl) Ari Brown(ts, ss) Paul Smoker(tp, flh) Misha Mengerberg(p) Joe Fonda(b) Han Bennink(ds) Pheeroan AkLaff(ds)


1993年10月、スイスで行われたアンソニー・ブラクストンによるチャーリー・パーカー・プロジェクト・ライブ。21日の演奏が1枚目に、22と23日の演奏が2枚目に収録され、ドラムがそれぞれ違い、1枚目がハン・ベニンク、2枚目がフェローン・アクラフとなっている。先日のサークルでもそうだが(紹介した盤は違うけれど)、ブラクストンのスタンダード類の演奏は伝統とアヴァンギャルドな演奏が融合し、とても魅力的だ。もしわたしがスタンダードをサックスで演奏するなら、ブラクストンのようにか、あるいはエリック・ドルフィーのように吹けるようになりたいものだ、と心の底から思う。ここでもチャーリー・パーカーのオリジナル曲を題材に暴れまくり、特にテーマをすっ飛ばしていきなりブラクストンのアドリブから始まる1曲目「Hot House」はスリリングだ。管楽器はブラクストンのほか、ハードバップ寄りのアリ・ブラウンや融通無碍なポール・スモーカーのプレイが三者三様で面白いが、ミッシャ・メンゲルベルクのピアノも特筆すべき素晴らしさで、流麗なストレートジャズとフリープレイを縦横無尽に駆けめぐる。メンバー全体、バップの伝統に則りつつ個性を発揮しているのも好もしい。1枚目と2枚目で共通して演奏されている「A Night In Tunisia」と「Klactoveesedstene」はアレンジが大体同じなので、聴き比べてみるのも一興だろう。ところで昔、有名なジャズ店主が「ブラクストンが好きという人間より、マクリーンが好きという人間の方が、ジャズファンとして信用できる(大意)」と書いていたのを読んだことがあるが、わたしならどちらも信用しますけどね(むしろブラクストン好きの方が深く分かってる気がする)。その店主が、ブラクストンとマクリーンの弟子によるラップとの共演アルバムを、2016年のベストに選んでいたので思いだした。


参考動画
www.youtube.com
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