Anthony Braxton's Charlie Parker Project 1993
引き続き中古盤を聴いていく(ヴァンダーマークの6枚組新作も届いているが)。
- アーティスト: Anthony Braxton
- 出版社/メーカー: Hatology
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: CD
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1993年10月、スイスで行われたアンソニー・ブラクストンによるチャーリー・パーカー・プロジェクト・ライブ。21日の演奏が1枚目に、22と23日の演奏が2枚目に収録され、ドラムがそれぞれ違い、1枚目がハン・ベニンク、2枚目がフェローン・アクラフとなっている。先日のサークルでもそうだが(紹介した盤は違うけれど)、ブラクストンのスタンダード類の演奏は伝統とアヴァンギャルドな演奏が融合し、とても魅力的だ。もしわたしがスタンダードをサックスで演奏するなら、ブラクストンのようにか、あるいはエリック・ドルフィーのように吹けるようになりたいものだ、と心の底から思う。ここでもチャーリー・パーカーのオリジナル曲を題材に暴れまくり、特にテーマをすっ飛ばしていきなりブラクストンのアドリブから始まる1曲目「Hot House」はスリリングだ。管楽器はブラクストンのほか、ハードバップ寄りのアリ・ブラウンや融通無碍なポール・スモーカーのプレイが三者三様で面白いが、ミッシャ・メンゲルベルクのピアノも特筆すべき素晴らしさで、流麗なストレートジャズとフリープレイを縦横無尽に駆けめぐる。メンバー全体、バップの伝統に則りつつ個性を発揮しているのも好もしい。1枚目と2枚目で共通して演奏されている「A Night In Tunisia」と「Klactoveesedstene」はアレンジが大体同じなので、聴き比べてみるのも一興だろう。ところで昔、有名なジャズ店主が「ブラクストンが好きという人間より、マクリーンが好きという人間の方が、ジャズファンとして信用できる(大意)」と書いていたのを読んだことがあるが、わたしならどちらも信用しますけどね(むしろブラクストン好きの方が深く分かってる気がする)。その店主が、ブラクストンとマクリーンの弟子によるラップとの共演アルバムを、2016年のベストに選んでいたので思いだした。