あうとわ~ど・ばうんど

Anthony Braxton - Miya Masaoka / Duo (DCWM) 2013

年末進行(ということにしておく。具体的に書くと読む人には関係のない愚痴になってしまう)のおかげで、またしてもサボっていたが、最近の新譜ではこれをよく聴いていた。

Duo  2013

Duo 2013

Anthony Braxton(sopranino, ss, as, electronics) Miya Masaoka(21 strings koto)


考えてみれば、メアリーもイングリッドテイラーも入っていない、特殊編成でもないブラクストンのアルバムを聴くのはずいぶん久しぶりだが、試聴で妙に心に引っかかって購入し、本格的に何度も聴いているのだけれど、やっぱり妙に心に引っかかるのである。おそらくうまく説明できないと思うが、ブラクストンはいつものギクシャクしたフレーズを極力回避しながら、21弦箏とエレクトロニクスの響きが揺蕩う中を、ゆったり遊泳するようにサックスで演奏を紡いでゆく。この不穏な、奇妙に美しい空間がなぜかとても心地よいのだ。