あうとわ~ど・ばうんど

Nate Wooley - Argonautica

ネイト・ウーリーとピーター・エヴァンスのデュオ新譜(5日参照)はやや不満な内容だった(むろん私の好みの問題である)が、それを吹き飛ばす作品がエヴァンスは「Genesis」(同日参照)だったのに対し、ウーリーの場合は本盤である。

Argonautica

Argonautica

Nate Wooley(tp) Ron Miles(cor) Cory Smythe(p) Jozef Dumoulin(rhodes, electronics) Devin Gray(ds) Rudy Royston(ds)


トランペット(コルネット)2本、アコースティックとエレクトリックの鍵盤楽器2台、ドラム2組、のダブルトリオ編成だが、サウンドは一体となっていてトリオが対置されている感は全くなく、変則セクステットというべきだろう。全1曲43分のアルバムで、ウーリーの無伴奏トランペットソロで始まり、序盤はオーソドックスなジャズスタイルも聴かれるが、やがてヨゼフ・デュムランの妖しいフェンダーローズに導かれるようにサウンドが過激化・先鋭化していき、幾度となく興奮が訪れる。いやーそれにしてもやっぱりデュムランのキーボードプレイは素晴らしい。ここでもリーダーを差し置いて主役級の大活躍である。


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