あうとわ~ど・ばうんど

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Jemeel Moondoc & Hilliard Greene / Cosmic Nickelodeon

Relative Pitch の新譜3枚のうち、このアルバムだけ取り上げていなかったが、他の2枚をよく聴いていたというだけで、けっして悪い作品ではない。

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Jemeel Moondoc & Hilliard Greene / Cosmic Nickelodeon
Relative Pitch Records, 2016)
Jemeel Moondoc(as) Hilliard Greene(b)


ムーンドックのアルトサックスが好きだ。とはいえ彼の吹奏は流麗ではないし、むしろたどたどしく、ハードブロウのカタルシスもなければ、大向うを唸らせる(表面的には)きらびやかな技術もない。ではなぜ聴いているのかと言えば、それは彼の音色が一級品だからだ。全7曲のうちのある曲で、ラウンド・ミッドナイト似のメロディーが奏でられる箇所があるのだけれど、その一瞬、「エズセティックス」におけるエリック・ドルフィーを思いださせもする(もっともムーンドックは飛翔せず地を這うことになるのだが)。そんなムーンドックの横では、ヒリヤード・グリーンのベースがぴたりと寄り添っていて、ふだん絶叫系フリージャズで聴いている時とは違って(当たり前だ)、非常に心地よいサウンドで名手ぶりを見せつけてくれる。