Anthony Braxton - Tentet (Paris) 2001
今月聴いた New Braxton House 3枚の最後の1枚。
TENTET (PARIS) 2001
(New Braxton House)
Anthony Braxton, James Fei, Brian Glick, Chris Jonas, Steve Lehman, Seth Misterka, Jackson Moore(reeds) Kevin O'Neil(g) Seth Dillinger(b, vo) Kevin Norton(ds, per)
2001年3月、パリでの録音。たった1曲ながら84分もあり、なるほど、ダウンロードアルバムというのはこういう時に便利なわけだな。
先月、98年のサックス・クインテットを聴いた際、「いかにサックス好きの私といえど途中で集中力が切れてしまうことがしばしば」と書いた(2月21日参照)。同時に「違う楽器が混ざっていると平気なんだけど」とも書いているが、では、そのクインテットのメンバーにさらにリードが2本増え、ギター・ベース・ドラムが加わったテンテットはどうなのか、というと、これが不思議、もう1週間ほどこればかり聴いているけれど全く飽きが来ないのである。7本のサックスによる入れ代わり立ち代わりバラエティ豊かなアンサンブルもさることながら、ギター・ベース・ドラムが加わったことによるサウンドの多様性にも耳が引きつけられっぱなしだ。不思議なものだなあ(ということも先月書いた)。
ところで余談だが(わたしのブログは余談しかない気がするが)、ここに参加しているスティーヴ・リーマンと、ギター・ドラムの両ケヴィンは、この当時よく活動を共にしていたようで、この作品に先立つ99年8月に、やはりテンテットに参加しているジャクソン・ムーアとともにオニールのリーダー作「Sous Rature」(未聴)を録音している。また、テンテットでの共演の2か月後、01年5月にはロイ・キャンベル(tp)とジョン・エイベア(b)を迎えたクインテットでNYでライブを行い、リーマンの初リーダー作「Structural Fire」「Camoflage」の2枚(12年1月15日参照)が残される。さらに6月には、ノートンのリーダー作「Change Dance Troubled Energy」(未聴)がリーマンを迎えて(オニールは不参加)吹き込まれることになる。
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