あうとわ~ど・ばうんど

Don Cherry - Togetherness

大晦日に勢いで宣言してしまったことを既に後悔し始め、記述を消そうかとまで考えてしまったが、歴史修正や宣言だけで内実を伴わないあの男たち(「あ」の付く男たち)の様になってはいかん、と思いとどまった。というわけで、反省して、数日前に書いたみたらネガティブな記述となってしまったために保留していたアルバムについて、あらためて書いてみることにする。三箇日に街に出た際に中古で購入した。


トゥゲザーネス

トゥゲザーネス

Don Cherry(cor) Gato Barbieri(ts) Karl Berger(vib) J.F. Jenny Clark(b) Aldo Romano(ds)


一昨年出たドン・チェリーのレア盤の初CD化(現在は既に廃盤)。07年から順次発掘リリースされた「Live at Cafe Montmartre 1966」3部作(07年8月4日08年5月11日09年3月9日参照)に先立つ65年春に録音された、多国籍グループ初期の姿が記録されている(モンマルトルとは、ベースが違う)。この年の冬に吹き込まれる「コンプリート・コミュニオン」のメロディーも頻出するが、まだまだプロトタイプという印象で、モンマルトルライブのようにガトーが曲を食い破るような怒涛ブローを繰り出すことはない。しかしチェリーが、オーネットやロリンズやアイラーの傍らを離れ、バンドリーダーとして独自の汎民族フリージャズを確立していく60年代後半への助走(序奏)とみれば、興味深いのではないだろうか。(ところでCDでは、カール・ベルガーの綴りが間違っている)


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