あうとわ~ど・ばうんど

ロジャー・ターナー, 佐藤允彦, 大友良英 / Live at Hall Egg Farm

doubtmusic10周年(おめでとうございます)を記念した、大友良英3枚同時リリースのうち、どれから聴こうか悩んだが、なんとなくこれから聴き始めた。

Live at Hall Egg Farm

Live at Hall Egg Farm

大友良英(g) 佐藤允彦(p) Roger Turner(ds, per)


今年2月の録音。1時間以上の演奏は、ロジャーのソロに始まり、大友さんの加わったデュオ、そして佐藤さんを交えてのトリオと変遷していくが、最初から最後に至るまで、その展開はなんとドラマチックなのだろう。そして、この演奏で個人的に最も強く感じるのは、佐藤さんのピアノの素晴らしさであって、既に70代半ばに達している佐藤さんだが、老若を問わず海外フリー演奏家の来日公演でファーストコールのピアニストであり続けているのは凄いことだ。しかも本盤のようなドラムやギター、あるいはサックス(例・ブロッツマンとの Yatagarasu )といったノイズマシーンとしても優れた楽器を向こうに回し、ピアノという謂わば西洋近代合理主義の権化ともいうべき非常に制約の多い楽器で、音楽に多様な色彩と表情をもたらしつつ、さらにソロ楽器としてもひと際印象に残る、というのだから。