あうとわ~ど・ばうんど

Paal N-L / Brö – A FISH STINKs FROM THE hEAD

そういえばシカゴテンテットの解散以来、憑き物が落ちたようにペーター・ブロッツマンの演奏を聴かなくなってしまっていた。新譜ではないが、久しぶりに手を出す。

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Paal N-L / Brö – A FISH STINKs FROM THE hEAD
Brö, 2013)
Peter Brötzmann(ts, as, bcl, tarogato) Paal Nilssen-Love(ds)


ブロッツマンは吼えて、吼えて、さらに吼えて、とにかく吼えて、ひたすら吼えて、吼えまくって、おしまい。つまりは、いつもと同じなのであるが、聴けばいつも新鮮な喜びがある。これはブロッツマンを生んだ同じドイツの哲人の言葉を借りて言えば、同じような演奏が何度もめぐり来る永劫回帰とも呼べるニヒリズムの中にあっても常に新鮮な感動を覚え、「これがフリージャズであったのか、よし、それならばもう一度!」と、いまここにある瞬間が未来永劫かくあることを望むという「到達しうる最高の肯定」なのである。もっとも、ニーチェ先生とは違って超人的な意志など必要なく、簡単に到達できてしまいますが。


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