あうとわ~ど・ばうんど

Daniel Zamir - Redemption Songs

先月来日公演を果たしたダニエル・ザミール9年ぶりの Tzadik 復帰作を聴く。

Redemption Songs

Redemption Songs

Daniel Zamir(as, ss) Mark Guiliana(ds) Shai Maestro(p) Haggai Cohen Milo(b) Nitai Hershkovits(p) Gilad Abro(b) Amir Bresler(ds)


今から約15年前に耳にした「Satlah」の衝撃(05年11月15日参照)以来、ザミールを追いかけ続けてきたが、今回は購入をためらっていた。というのは、最近はソプラノ専科みたいになってしまっていて(いや、けっして悪くはないのだが)、ヘタウマボーカルも交えて妙にポップになってしまっていて(いや、けっして悪くはないのだが)、盛り上げどころはいつも同じように音を敷き詰める感じになってしまっていて(いや、けっして悪くはないのだが)、正直言ってだんだん食傷ぎみになってしまっていて(いや、けっして悪くはないのだが)、そろそろ潮時かなと思っていたのだった。

もし今回も食傷してしまったら追いかけるのをやめようと思って、意を決して聴いてみたら、無駄ではなかったと感じた。本作は全9曲、2011年と今年の2回のセッションで構成され、1、6~8曲目が Mark Guiliana、Shai Maestro、Haggai Cohen Milo とのカルテット、残る5曲が Nitai Hershkovits、Gilad Abro、Amir Bresler と、それぞれ異なるカルテットで演奏されている(どちらのカルテットが何年の録音なのかはわからない)。曲は過去作の再演が多いようだ。

後者のカルテットが良かった。それは何と言っても、ザミールが久しぶりのアルトで激しい演奏を聴かせてくれたから。荒々しい若々しさが魅力だった Satlah 時代が甦った、とまでは言わないが、かなり戻ってきてくれた印象で、フレージング的にはソプラノの時とほとんど変化はないのかもしれないけれど、それがアルトで演奏されると今も胸を焦がすような熱い演奏になりうることを証明してくれた。アルトの演奏に挟まれ、あのボーカルも影を潜めると、食傷気味だったソプラノも新鮮に聴こえてくるから不思議だ。うーん、これからも追い続けることになってしまったではないか(いや、けっして悪くはないのだが)。


参照
Daniel Zamir の記事アーカイヴ(旧ブログ)