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板橋文夫 FIT! + 類家心平・纐纈雅代・レオナ / みるくゆ

ゲストに惹かれて、板橋文夫 FIT! のアルバムを、第1作以来ひさしぶりに購入。

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板橋文夫 FIT! + 類家心平・纐纈雅代・レオナ / みるくゆ
(Mix Dynamite, 2015)
板橋文夫(p, pianica, per) 瀬尾高志(b, per) 竹村一哲(ds, per)
類家心平(tp) 纐纈雅代(as) レオナ(tap dance)


想像していたよりも王道ど真ん中のジャズ(この場合の王道とは「中央線」を指す)で、全体に、類家氏の巧者ぶりが光る。全9曲の中では、瀬尾のアルコソロから始まり、悠久の自然を想起させるメロディーと各人が火花を散らすソロからフリーへと至る6曲目、瀬尾のオリジナル曲「アルダン・マードゥル」が(結局は)一番気に入った。

ところで同意してくれる人は少ないかもしれないが、最近の板橋氏の楽曲への名付けのセンスは、大江健三郎を思い出させるのだが、どうだろうか。ついでに付け加えると、表現者として常に現在にとどまろうとして変貌し、かつての熱狂的な「信者」たちが徐々に距離を置いていく中、生まれる作品はより大きく幅広く懐深く真摯なものになっていっている、という点でも似ていると思うのだ。