あうとわ~ど・ばうんど

George Adams / The Complete Remastered Recordings on Black Saint & Soul Note

ジョージ・アダムスのリーダー作に関しては、ドン・プーレンとのカルテットを除くと素通りしていくことが多いのだが、この箱が3年前に出た時も、5枚のうち3枚は既に持っているプーレンとのカルテットだし、残る2枚のために買う必要はあるのか、と悩んで、結局そのままにしていた(プーレン絡みの音源は、その前に出ていたプーレンの箱に収めてくれれば良かったのに、と思わざるを得ないけれど、このレーベルは「プーレン=アダムス」ではなく「アダムス=プーレン」名義なのである)。今回、先日の「Hip Ensemble」のついでに気が向いて購入した。

George Adams-Complete Remastered Recordings

George Adams-Complete Remastered Recordings

George Adams(ts, fl, vo) Dannie Richmond(ds) Don Pullen(p) Cameron Brown(b) Jimmy Knepper(tb) Hugh Lawson(p) Mike Richmond(b)
所収アルバム:「Dont Lose Control」「Hand to Hand」「Gentlemen's Agreement」「Live at Village Vanguard 1」「Live At The Village Vanguard Vol 2


初聴は「Hand to Hand」と「Gentlemen's Agreement」の2枚(オリジナルジャケットは、両方とも握手の図柄で紛らわしい)。双方ともアダムスとダニー・リッチモンドに、ジミー・ネッパー、ヒュー・ロウソン、マイク・リッチモンドのクインテット。リリース間隔が3年あいていて、これはプーレンとのカルテットと並行していたレギュラーグループなのか、同じセッションを2枚に分けて出したのかどうかはよく分からないが、どちらも、フュージョンを通過してメインストリームに回帰してきた時代のジャズ、というイメージ。悪くないし、とても懐かしい気分にさせられた。ロウソンのピアノは王道ジャズならではの美しさとドライヴ感があり、プーレンとのグループを解散後、アダムスがスタンダードバラード集を吹き込むにあたってロウソンを相棒に選んだのもむべなるかな、という印象を受けた。

と書きつつも、久々に聴き返したアダムス=プーレン・カルテットのヴィレッジ・ヴァンガード・ライヴが、やっぱり良かった。アーシーなノリからフリーフォーム、こぶし転がしから必殺の哀愁プレイまで変幻自在のプーレンのピアノと、ブルース~シャウト~フリー縦横無尽の同じような資質を持つアダムスのテナーサックス、ガンガンと盛り上げスイングしまくるリッチモンドのドラムとキャメロンのベース。何度聴いても最高で、いつまでも大好物である。


試聴(「Hand to Hand」から)

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試聴(「Gentlemen's Agreement」から)

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試聴(「Live at the Village Vanguard」から)

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参照
ジョージ・アダムスの過去記事アーカイブ(旧ブログ)
ドン・プーレンの過去記事アーカイブ(同)
George Adams Sessiongraphy(外部サイト)
Don Pullen Discography(同)