あうとわ~ど・ばうんど

Joëlle Léandre & Akosh S. - Győr

アコシュ・セレヴェニの旧作(再発盤。原盤は03年録音、05年リリース)を聴く。

Gyor

Gyor

Joëlle Léandre(b, vo) Akosh Szelevényi aka Akosh S.(ss, ts, cl, fl)


昨年2月に初めて聴いたアルバムで、その激しい演奏内容だけでなく、その衝撃的なタイトルでも度肝を抜いてくれたアコシュ・セレヴェニ。そういえば私が彼を初めて知ったのは、YouTube で観たジョエル・レアンドルとのデュオだったので、このCDはやはり聴いておかなければならない気がした(他にも何種類かデュオアルバムは出ているらしい)。

内容はというと、想像していたのとは違って非常に抑制的で、互いの音に身を寄せ合い深く交歓するような演奏だった。もちろんアコシュが燃えるようなサックスプレイをみせる展開はあって、しかしそれは以前に聴いたライヴ盤のように激情が奔流のごとく噴出することなく、その寸前で踏みとどまりながらデュオに奉仕しているような感じで、そういう意味ではやはり「抑制的」かもしれない。

じゃあつまらないのかと言われればそんなことはなく、東方起源といわれるハンガリー民俗音楽的な響きを持つアコシュと、フランス出身でジョン・ケージに師事した現代音楽家としての出自を持つジョエル、互いにバックボーンの異なる2人による豊かな響きが重なり合い、深いインプロコミュニケーションが成立していると聴こえた。


参考動画(CD収録演奏の映像ヴァージョンらしい)

www.youtube.com