あうとわ~ど・ばうんど

Akira Sakata & Jim O'Rourke with Chikamorachi & Merzbow - Flying Basket

Flying Basket

Flying Basket

坂田明(as, cl, vo) Jim O'Rouke(g) Chris Corsano(ds) Darin Gray(b) 秋田昌美(noise electronics)


邦訳タイトルは「坂田明ジム・オルークとちかもらち&メルツバウ-すっ飛び篭」だそうである。うむ、そちらの方が坂田さんらしくて味わい深いな。リリース情報を知った時、ちかもらち+ジム・オルークはいいけれど、メルツバウが加わるとどうなることやらと多少気がかりが無いでもなかった(わたしは基本ノイズが得意でない)が、実際に耳にしてみればそれは杞憂で、というか、坂田さんがアルトを吹いてくれさえすれば、曲がどうあれ周りがどうあれ最高なのである。

CDはワントラック70分以上の長尺(2枚組LPヴァージョンは表裏計4曲ということになる)で、さすがに全編にわたって坂田さんが吹きまくることはなく、中盤はクラリネットでゆったり聴かせたり吹かない時間も長かったりするけれど、前半と終盤での吹きっぷりはやっぱり流石の貫録のカタルシス。これは坂田さんの演奏の魅力に初めて開眼した日(05年11月8日参照)から感じていることなのだけれど、いわゆるバラード(美しく感傷的な曲)を吹かせても坂田さんは上手いが、感情を極限まで開放するような怒涛の演奏にこそ、より「バラード」を感じるのだ。


試聴


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