あうとわ~ど・ばうんど

富樫雅彦~高柳昌行 / パルセーション

パルセーション PULSATION

パルセーション PULSATION

富樫雅彦(per) 高柳昌行(g)


ようやく聴けたのである。「エターナル・デュオ」に比して、入手まで長くかかってしまった理由は他でもない。9月22日のエントリでも記したが、ある抱き合わせ品とともにディスクユニオン(敢えて名前を出す)に注文していたのだけれど、結局その商品の入荷が遅れに遅れ、対応を問うメールが来て、そこで「では、在庫商品を発送して、遅延商品のキャンセルを希望します」と書いて送ったところ、「わかりました。ご注文をキャンセルします」との返事が届いたのである。おいおい、日本語大丈夫か。苦情を申し立てようかと思ったが、面倒くさい上に大して意味はなさそうなので、そのままにして結局、地元店にて絶賛売れ残り中の品を購入と相なったのであった。

みっともなく愚痴を書き連ねて、前置きが長くなってしまった。83年録音アルバムの初CD化で、私は初聴。結果的にではあるけれど、待ち焦がれた分だけ期待は高まりに高まっていたが、充分に応えてお釣りが来るアルバムだ。だから、ユニオンには感謝している。もちろん、皮肉である。ちなみに、本作録音の翌年にあたる84年の音源「デュオ・ライブ1984」が昨年発掘CD化されている(12月8日参照)けれど、受ける印象は全く違う。この2人のことであるから、当然ながら、その都度都度で違うタイプの演奏を展開したのだろう。あちら側がどこか、チャーミングでユーモラスですらあったのに比して、こちら側は荘厳というか、隙間を生かしつつも息詰まるインプロの応酬である。しかし一級のエンターテインメント作品でもあって、一連の演奏が終わった後のカタルシスが心地よい。冒頭と終幕の銅鑼(?)も、そんな気分を盛り上げる。