あうとわ~ど・ばうんど

Mary Halvorson - Meltframe

本当はCDが届いてから書くつもりだったのだが、例のごとく、本日発売と同時にダウンロード版を購入して聴いてみたら、黙っていられなくなった(笑)

Meltframe

Meltframe

Mary Halvorson(g)


待ちに待った、メアリーのギターソロアルバム。曲目は以下。

01 Cascades (Oliver Nelson)
02 Blood (Annette Peacock)
03 Cheshire Hotel (Noël Akchoté)
04 Sadness (Ornette Coleman
05 Solitude (Duke Ellington
06 Ida Lupino (Carla Bley
07 Aisha (McCoy Tyner
08 Platform (Chris Lightcap)
09 When (Tomas Fujiwara
10 Leola (Roscoe Mitchell)

事前情報を知った際は、一聴して耳に残るはっきりしたメロディー輪郭を持つこの曲たちが、タイトルから類推されるように、彼女独特の間と音程によっていかにして曲の枠組みを溶融してくれるのか(まさか彼女の眼鏡のフレームが溶けるわけではあるまい)と期待していた。しかし聴き通して感じたのは、むろんそういった演奏もあるのだけれど、多くは比較的ストレートに旋律が奏でられている驚きだった。

が、そうやってメロディーを奏でる、その手練にもまた流石と唸らされる。やはり全てひっくるめて選曲の勝利であろう。(それにしても、こういうアルバムの場合、一曲ぐらいオリジナル曲を挟むのも手法としてはありだと思うが、そうしないところがまた潔い)

ただ、分かっていたとは言え、個人的に一つだけ残念だったのは、彼女が影響を公言しているエリック・ドルフィーの曲がなかったこと(1曲目はドルフィーも参加した「ブルースの真実」からの選曲ではあるが。ちなみに、ジェシカ・パヴォンとのデュオで「Something Sweet, Something Tender」を演奏した音源がこちらで聴ける。この演奏も非常に滋味深く、いつかドルフィートリビュートアルバムを制作してくれることを期待させるほどである)


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