あうとわ~ど・ばうんど

Sonny Rollins Quartet with Don Cherry - Complete Live at the Village Gate 1962

ソニー・ロリンズの発掘音源を聴く。

Complete Live at the Village G

Complete Live at the Village G

Sonny Rollins(ts) Don Cherry(cor) Bob Cranshaw(b) Billy Higgins(ds)


1962年7月27〜30日にヴィレッジ・ゲイトで録音され、オリジナルアルバム「アワ・マン・イン・ジャズ」にはそのうち3曲が収録されたライブのコンプリート音源とのこと。ブートでは出回っていたそうだが、廉価6枚組として最近発売され、興味を覚えて入手してみた。

2度目の失踪から復帰して「」を吹き込んだジム・ホールとのグループを短期間で解散し、ドン・チェリーとカルテットを組んでフリージャズに接近した時期にあたる(もっとも、このグループも短命に終わる)。

音源は4日分の全セットで、合計約7時間。正規盤に収録されている「Oleo」「Doxy」「Dearly Beloved」は何度も演奏され、どれもが長尺。他に、曲名判明分では「Solitude」や「Home Sweet Home」、「St. Thomas」、「Lover」、「Tempus Fugit」の名も。録音エンジニアは取りあえずテープを回しっ放しにして、良さそうな部分(おそらくストレートなものを求めるリスナーのことも考慮して)を正規盤に使ったものと思われる。

ちなみに私はロリンズの良い聴き手でないし「Our Man In Jazz」も昔聴いたことがある(今回 YouTube で久しぶりに聴いた)程度で、あまり偉そうなことは言えないのだけれど、これらの演奏は今の耳で聴けば、それほどフリー度が高いとは言えない。特に、正規盤に使われた演奏はそれが顕著で、さすがに、本当にフリー色が強くなるとフレージングがたどたどしくなってしまう。

このグループの真価は、やはり何種類か発掘されている63年のライブにあるのだろう(実は聴いてないけど)。しかし、未踏の地へと踏み出そうとするロリンズの精神は買うべきで、揺籃期や過渡期の音楽はやはり面白い。