あうとわ~ど・ばうんど

William Parker - For Those Who Are, Still

For Those Who Are Still

For Those Who Are Still

パーソネル等はHP参照


ウィリアム・パーカーの新作は、大編成による大作やコンボによる組曲的演奏を収めた3枚組で、作曲家・総合音楽家としてのパーカーの面目躍如たるアルバムとなっている。

当初のお目当てはチャールズ・ゲイルが参加した3枚目で、最初にそれから聴き始めたのだが、ゲイルの演奏はいつだって素晴らしいのだけれど期待通りというか予想通りというか、注目のソプラノはアンサンブルの間から聴こえる程度にすぎず、トリオによる演奏もドラムのマイク・リードがやや弱いかなという印象。

(そういえば、パーカーがベースを弾いたゲイル・トリオのドラムは、ラシッド・アリやマイケル・ウィンバリーであることが多く、できればハミッド・ドレイクに座ってほしいところだが、最近、ドレイク参加のトリオがヨーロッパツアーを行ったようで、そのメンバーによる新作を期待したい)

しかし実は3枚の中で最も心惹かれたのは、1枚目の後半、ダリル・フォスター(sax)とエリ・ヤマモト(p)にリーナ・コンクエスト(vo)が加わったカルテットによる組曲的演奏で、非常にブルージーかつソウルフルな歌と3人のインタープレイが味わい深く、心の底に沁み込んでいくようだった。