あうとわ~ど・ばうんど

Ingrid Laubrock Anti-House / Roulette of the Cradle

Roulette of the Cradle

Roulette of the Cradle

Ingrid Laubrock(ts, ss) Mary Halvorson(g) Kris Davis(p) John Hébert(b) Tom Rainey(ds) Oscar Noriega(cl)


例によってCD到着前にダウンロード版を聴いているのだが、ラブロックに直接注文して本人から届いたCDなのだから、味わいはまた格別だ(←毎度のことながら馬鹿である)。グループとしては3枚目。さらに進化を遂げているらしい。冒頭の2分半ほどの短い曲がラブロック抜きで始まり、全8曲は組曲構成ではないものの、統一したコンセプトがあるかのように、アルバム全体が一つの作品として練られているようだ。


包容力豊かなラブロックのテナーおよびソプラノ、相変わらず眩惑的なメアリーのギター、硬質ながら変幻自在のクリスのピアノ、しなやかなエイベアのベース、ラブロックの夫であるレイニーの細やかなドラム、のレギュラー5人がさまざまに組み合わさり、2曲だけ参加のノリエガのクラリネットもしっかり存在感を発揮し、誰が主役というわけでもなく(あ、いや、個人的にはメアリーが主人公でいいんだけどね)、各人がサウンドに奉仕しながら演奏が進行していく。細部から全体まで、聴き込むほどに味わい深し。


今年はまだ前半が終わらぬのに、豊作の年だなあ。


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