あうとわ~ど・ばうんど

藤井郷子オーケストラベルリン / 一期一会

一期一会(Libra212-037)

一期一会(Libra212-037)

Matthias Schubert, Gebhard Ullmann(ts) Paulina Owczarek(bs) Natsuki Tamura, Richard Koch, Nikolaus Neuser(tp) Matthias Müller(tb) Satoko Fujii(p) Kazuhisa Uchihashi(g) Jan Roder(b) Michael Griener, Peter Orins(ds)


ニューヨーク、東京、名古屋、神戸に続き、ヨーロッパ初のオーケストラ誕生!とのことで購入してみた。とはいえ、ジャケット内にもディスコグラフィーが記載されているが藤井オーケストラ作品はなにしろ数が多く(今作含め18枚)、私はニューヨークと東京を数枚聴いたのみで良いリスナーとは言えない。しかし、ニューヨークにおけるトニー・マラビー&エラリー・エスケリン、東京における松本健一&木村昌哉、に相当するテナーサックスの2人がゲバルト・ウルマン&マティアス・シューベルト(と読んでいいのか?)ということで興味をかきたてられたのだった。


曲は「Ichigo Ichie」と題された4編の組曲と、最後に「ABCD」と名付けられた1曲の、全5曲構成。曲想はやはり変わっていてゆったりしたテンポの曲が多いようだが(というか、どこからどこまでが「曲」なのか?)、水分子が徐々に熱せられ分子運動を激しくしていくように、ホーンプレーヤーたちによる音が盛んに行き交い、ついには沸騰へと至るカタルシスがたまらない。目当てのテナー2人は2、4曲目で暴れるのだが、はて、どちらがどちらか分からず、前者がウルマン、後者がシューベルトと、なんとなく推定したのだが果たして正しいのかどうか。