あうとわ~ど・ばうんど

PRISM Quartet - Heritage / Evolution Volume 1

Heritage / Evolution 1

Heritage / Evolution 1

Timothy McAllister(ss) Zachary Shemon(as) Matthew Levy(ts) Taimur Sullivan(bs) + Steve Lehman(as) David Liebman(ss) Rudresh Mahanthappa(as) Greg Osby(as) Tim Ries(ts) Miguel Zenón(as)


PRISM Quartet は、アメリカのサックス四重奏によるチェンバーミュージックアンサンブル(らしい)。90年代から活動しており、これまでに14枚のアルバムを発表。このうち、本作をリリースした Innova レーベルからは9枚をリリースしていて、最近はゲストを迎えた作品が多いようだ。

本作は上記6人がゲスト。収録曲は「Heritage / Evolution」と題したコンサートシリーズが出典。スティーヴ・リーマンとルドレシュ・マハンサッパをを迎えた2014年4月、ティム・リーズとミゲル・ゼノーンを招いた同5月、デイヴ・リーブマンとグレッグ・オズビーがゲストの同6月、それぞれの公演からの選集で、曲は各ゲストが持ち寄っている。

CDは2枚組。1枚目1曲目のゲスト&作曲はマハンサッパ。2~4曲目はリーズ&ゼノーンがゲストで、作曲は2、3曲目がゼノーン、4曲目(なんだか「Sketches of Spain」とリベルタンゴマリア・シュナイダーを継ぎ接ぎしたような曲想)がリーズ。2枚目に入り、1~5曲目がリーマン作曲およびゲストの小品集。6~8曲目はゲストがリーブマン&オズビーで、作曲は6曲目オズビー、7曲目リーブマン、8曲目だけがなぜかコルトレーンの「Dear Lord」(編曲リーブマン)。という構成。

「リー」の付く人が多くて混乱するw

リーズ&ゼノーン、リーブマン&オズビーがゲストの演奏は、メロディアスで情緒的なものが多い(特にリーブマン&オズビーは想像と違って、「え?」という感じである)。しかし、それゆえにマハンサッパとリーマンの異質さが突出する。マハンサッパのサックスは一音で異世界に連れて行かされるし、リーマンはさすがに大学で現代音楽を修めた人、というサウンドである。

「Volume 1」というからには第2弾もあるのだろうが、その時は是非、録音したはずのマハンサッパ&リーマンの音源をもっといっぱい出してもらいたい。(いや、もしかすると、12月に行われたラヴィ・コルトレーン&クリス・ポッターが中心になるかもしれないが・・)


参考動画(収録曲とは微妙に違う)