あうとわ~ど・ばうんど

Jack DeJohnette - Made in Chicago

待ち焦がれていたジャック・デジョネットの新譜が届く。


Made in Chicago

Made in Chicago

Henry Threadgill(as, bass-fl) Roscoe Mitchell(sopranino, ss, as, baroque-fl, bass recorder) Muhal Richard Abrams(p) Larry Gray(b, violoncello) Jack DeJohnette(ds)


2013年8月、シカゴ・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ。デジョネットのルーツたる60年代のシカゴ、大学同窓でエイブラムズ・グループの仲間でもあったロスコーとスレッギル、そして御大エイブラムズをまじえての再会セッションで、AACM創立50周年記念アルバムでもあるのだそう(録音時点では48周年であるが)。

1曲目、ロスコー作の「Chant」から、単純なリフの呪術的繰り返しにまず惹きこまれる。やがてロスコーの(例によって)ぐちゃぐちゃした循環呼吸ソロが続いていき、これがやはり堪らない。デジョネットのドラムも躍動している。

2曲目、エイブラムズ作の「Jack 5」でスレッギルがフィーチャーされる。ここのところフラストレーションがたまる演奏が続いて否が応にも期待が高まったせいか、1回目に聴いた時はリーダー作と比べて何やら地味で影が薄い気もしたが(強烈なロスコーの隣で割を食った側面もあるとはいえ)、何回か聴くうち、これはこれで、しっかり言いたいことは言っているのだという印象に変わった。

3曲目は再びロスコー作の「This」、ロスコーとスレッギルのフルートが揺蕩いながら、玄妙な演奏が続く。

4曲目はデジョネット作の「Museum of Time」、ロスコーとスレッギルがサックスに持ち替え、エイブラムズの情趣豊かなピアノとともに盛り上げる。

5曲目はスレッギル作の「Leave Don't Go Away」、エイブラムズは4曲目もよかったが、この曲は独壇場。ライヴ当時、他の4人が70代前後の中、唯一80代だったエイブラムズのピアノの瑞々しさといったら! 後半はロスコーのぐじゃぐじゃソロが再び登場。

MCを挟んでアンコール、5人名義でのインプロ(?)「Ten Minutes」で〆。6分程度の短い演奏ながら、それぞれに持ち味を発揮する良質フリージャズ。

これはとても良かった! とりあえず今年のベスト候補、まず一枚目としておこう(というか、今年まだ一枚しか新譜を聴いていない)。


プロモ映像