キャトルバンド - 猫のおしゃべり

こんなアルバムが出ていたとは知らなんだ。

猫のおしゃべり

林栄一(as) 富田一夫(p, key) 上侍(g) 東保光(b) 上村計一郎(ds)

オビには『港町・横浜をテーマした珠玉のジャズ』（原文ママ）と書いてあるのに加え、レーベルHPには『大人達に向けたお洒落で極上なジャズ』とあって、気が挫けそうになるのだが、収録曲ラインアップが「ブラザー」「鶴」「母へのバラード」「Gatos Meeting」「ナーダム」「夜の波止場」「回想」「平和に生きる権利」と、林栄一ヒットパレードになっていては無視することはできない。

『お洒落』かどうかは個人の受け取り方次第だけれど、たしかに林さんのいつもの演奏から見れば、70年代和ジャズ・フュージョン的なアレンジもあったり、いわば『甘口』である。激しさの中に凄みと抒情を聴きたい人にはやや食い足りないかもしれないが、とはいえ、林さんの啼き節を堪能したいならこういうのもアリではあろう。