あうとわ~ど・ばうんど

Matt Brewer - Mythology

Mythology

Mythology

Matt Brewer(b) Mark Turner(ts) Steve Lehman(as) Lage Lund(g) David Virelles(p) Marcus Gilmore(ds)


ふだんはこういうコンテンポラリージャズ(?)はあまり聴かないのだが(とはいえ、pi recordings あたりから出てもおかしくないメンバー構成ではある)、スティーヴ・リーマンが参加してるなら話は別だ。リーマンのみが目当ての購入で、彼のプレイにも満足させられたが、アルバム全体を通じても良かった。

リーマンの演奏は、かつてヴィジェイ・アイヤーやルドレシュ・マハンサッパらとの共演で繰り広げた曲折的フレーズを力技で吹ききるものから、最近は音符の連なりが滑らかでソフトな印象(録音の加減かもしれない)になっていて、それは本盤でも同様なのだが、表面的な印象によらず異形なフレーズを積み上げていく本質は決して変わっておらず、魅力が全開されているので、それだけで嬉しくなってしまう。

収録曲は、単にソロ回ししていくような構成は取らず、オーケストラのように(おそらく)曲想によってソロフィーチャーを変え、アルバム全体を通じてのメリハリが利いていて、リーマンの出番が少なくなるとはいえ、好印象を持った。ところで、現代のテナーで最も影響力がある(らしいが、ほとんど聴かないので分からない)マーク・ターナーのプレイは、リッチ・ペリーを思い出させるんだが私の耳がおかしいのだろうか?


ちなみに、スティーヴ・リーマン参加ということで言えば、最近もう一枚、ジェイソン・モランの「All Rise -a Joyful..」というアルバムが出ているけれど、こちらに関しては、一曲だけどリーマンのソロがあって良かったと思っただけで、ファッツ・ウォーラーをテーマとしたこの作品全体についての面白さは皆目わからない。というのが正直なところ。