あうとわ~ど・ばうんど

Miles Davis - At Plugged Nickel, Chicago

本来ならば命日の28日に書いておくべきだったかもしれない(聴いてはいた)が、マイルスのプラグドニッケル・ライヴが2枚組で再発されている。

プラグド・ニッケル(Vo.1+Vol.2)

プラグド・ニッケル(Vo.1+Vol.2)

Miles Davis(tp) Wayne Shorter(ts) Herbie Hancock(p) Ron Carter(b) Tony Williams(ds)


ライナーノートによれば、これまで様々なバージョンで出ていた2枚のプラグドニッケル・ライヴ盤を2枚組にまとめたのみならず、テオ・マセロによる編集が施された幾つかの曲をすべてコンプリートバージョンに差し替えた「完全盤」なのだそうだ。

マイルスのプラグドニッケル・ライヴに関しては、かつて輸入盤のコンプリートボックスを持っていたのだが、全曲が面白いという感想を抱くことはなく、結局のところ、1枚目(「プラグド・ニッケルのマイルス・デイビス」)が一番良いという結論に落ち着いたため、ある時ボックスを売り払ってしまった。のだが、それで、その1枚目をずっと聴いてきたかと言えば、さにあらず、何とそのまま持たずに過ごしてきてしまったために今回買い直したのである。

やはり1枚目、「Walkin'」から始まり「Agitation」「On Green Dolphin Street」を経て、「So What」で極点に至る流れが最高だ。ライナーを担当した評論家は某偏向本で「1対4のケンカ大会」とか、マイルスが「主権を奪い返す」などと書いているが、全くそうは思わない。(仮にそうだったとして、マイルス以外の4人の活躍こそが、このアルバムを光らせていると思うのだけれど)