あうとわ~ど・ばうんど

Tarbaby with Oliver Lake & Marc Ducret - Fanon

これまた楽しみにしていただけに、惜しいアルバムである。

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Tarbaby with special guests Oliver Lake & Marc Ducret - Fanon(RogueArt)
Orrin Evans(p) Eric Revis(b) Nasheet Waits(ds) Oliver Lake(as) Marc Ducret(g)


「Tarbaby」というピアノトリオに、オリヴァー・レイクとマルク・デュクレがゲスト参加。作品は、ポストコロニアリズムの先駆とされるアルジェリア独立運動の理論的指導者フランツ・ファノンをテーマとした(黒人4人+フランス人のマルク・デュクレ、という組み合わせが絶妙?)コンセプチュアルアルバムの趣である。

ファノンをテーマとしているからと言って、演奏から深淵な思想や闘争精神がにじみ出るわけでないし、各曲の作曲はメンバーさまざまであるため統一性もとくに感じない。レイクがブリブリ吹きまくったり、デュクレは変態フレーズを積み上げるなど、ゲスト陣もきちんと個性を発揮してうおぉっという瞬間もあるものの、どうも先日と同じで、5人そろった時の演奏が突き抜けてこず妙に小ぢんまり聴こえてしまうのだ。結局、印象に残ったのはトリオでガンガン迫ってくるところだったりする。


参考音源(1、2曲目)