あうとわ~ど・ばうんど

Roy Brooks - Duet in Detroit

最近届いた新譜を何枚か聴いていて、合間に息抜きのつもりで流したこの再発盤に、深く引きこまれた。

デュエット・イン・デトロイト

デュエット・イン・デトロイト

Roy Brooks(ds, per, singing saw) Randy Weston(p) Woody Shaw(tp) Don Pullen(p) Geri Allen(p)


Enja再発シリーズ。先月亡くなったホレス・シルヴァーのグループ等で活躍したロイ・ブルックスが故郷デトロイトに帰り、ライフワークとして、かつての友人らを招いて行っていたデュオセッションのうち、83~89年に吹き込まれたものだそうである(私は初聴である)。

デュオの相手は、ランディ・ウェストン、ウディ・ショウ、ドン・プーレン、ジェリ・アレンの4人。それぞれに聴き所が多い。ウェストンは90歳近い今も現役だが、当時は50代後半だろうか、へヴィさと繊細さとを兼ね備えた独特のピアニズムはこの当時も変わらない(そういえば、先年のビリー・ハーパーとのデュオ盤でも、ハーパーを置き去りにするぐらい凄かった)。ショウとのセッションは火を噴くようなバトルが聴き物。

最も良かった(ただし、贔屓込みです)のは、これが目的で購入したドン・プーレンとのデュオ。哀愁迸るフレージングから荒れ狂うフリーまで、プーレンのピアノはやっぱり最高である。ジェリ・アレンは当時は若手有望株。実の所、彼女のピアノは(いまも)よく個性が分からないのだけれど、ウェストン→プーレン→アレンの流れで聴くと、なるほど、世代やスタイルは違っても根っこの部分では共通するものを感じられる気がして、面白い。