あうとわ~ど・ばうんど

AAS - Song 4 Beasts

AASの新作が届く。

ソング・フォー・ビースト Song 4 Beasts

ソング・フォー・ビースト Song 4 Beasts

立花秀輝(as) 山口コーイチ(p) カイドーユタカ(b) 磯部潤(ds)


結成15周年記念盤とのこと。ちなみに、私がAASを知り、立花氏のHP経由で自主制作盤を直接注文してからも、ちょうど10年がたつ(もっとも、CDのみで、一度もライブに接したことがないのだが…)。これまでの歩みをまとめ、今後に向けての橋頭堡たらんとするアルバムだろう。

冒頭曲は「AAS fünfzehn」。fünfzehnはドイツ語で「15」の意。自主制作盤「生」に収録されていた初期レパートリー「AAS」の15年目のリファインということか。劈頭の、マルチフォニックと思しきアルトサックス無伴奏ソロが素晴らしい。高音をギュオンギュオン鳴らしながら、低音部でテーマリフを奏で、それを受けてバンドが入ってくるところがとてもかっこいい。

それ以外はこれまでのCDには収録されていない曲ばかりだが、アルバム全体を通じ、疾走感あるフリーや胸かきむしられ系バラード、今年がエリック・ドルフィー没後50周年であることを意識したのかどうかドルフィーに捧げた曲(個人的にはあまりドルフィー的なものを感じないが。笑)等、バランスよく、立花氏の「必殺技」も目白押し。

直販のオマケCDで演奏されているのは、やはり自主制作盤の「AAS体験版」に入っていた「風花」で、これまた記念盤にふさわしい。これからも追いかけていきたい。