あうとわ~ど・ばうんど

Mats Gustafsson - Torturing The Saxophone

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Mats Gustafsson - Torturing The Saxophone
Corbett vs Dempsey
Mats Gustafsson(bs, ts, music box, live electronics)


かつて片面のみの超限定盤アナログとして出ていた「Mats G. Plays Duke E.」「Mats G. Plays Albert A.」「Mats G. Plays Gullin」がまとめられ、さらに未発表曲(「Ghosts」)が追加され、ついに一枚のCDになった。めでたしめでたし。

エリントン集は、「イン・ア・センチメンタル・ムード」「ソフィスティケイテッド・レディ」でのソフトな音色(でも倍音多し)を用いたストレートなテーマメロディから、テーマなどどこにあったんだ?と思うほどノイジーな演奏まで、振り幅は広く面白い(ヘッドフォンで聴くとさらに面白さ倍増)。

アイラー集の方は、静かなゆったりした出だしは何となく教会音楽風で、アイラーとは対極にあるように見えて、実はアイラーの曲というのはこういう「聖」を孕んだものであるということを逆に気づかせてくれる演奏となっている。やがて次第にじわじわ熱くなり、アイラー系バイブレーションをぶちかます展開にもなるのだが、全体に「聖」の感じは残していて、なかなかに情趣深い。

ラーシュ・グリン曲も静かに始まり、熱く盛り上がる。