あうとわ~ど・ばうんど

Mary Halvorson Trio - Ghost Loop

Ghost Loop

Ghost Loop

Mary Halvorson(g) John Hébert(b) Ches Smith(ds)


半年近く前にAmazonに注文したのに、一向に発送はおろか入荷の気配すらなく、しびれを切らして、ついに初めてAmazon.comを利用してしまった。


Dragon's Head」以来5年ぶりとなる彼女のトリオ名義作品で、ライブアルバム。収録曲は、「Bending Bridges」からの2曲を除く7曲が初出(と思われる。彼女のリーダー作では曲名の後ろに作品番号(?)が付いている)。


メアリーの音楽にのめり込んだきっかけがこのトリオ(それ以前から参加作は耳にしていたのだが)で、ことあるごとにトリオの新作を出せと言い続けてきたので、非常に感慨深い。サウンドに初めて聴いた時ほどの驚きはないが、耳を凝らして聴くほどに興趣が深い。


私がメアリーの音楽に魅せられ続けるのは、やはり彼女のギターが醸し続ける『異世界美』のせいだろうと思う。これは私が偏愛するミュージシャン、例えばエリック・ドルフィーがもちろんそうだし、ヘンリー・スレッギルやアンドリュー・ヒルもそうだろう、あるいは最近だとピーター・エヴァンスにも感じるが、私が最も惹かれる彼らの特質であって、明晰なのに五里霧中というか、どこか奇形というか、異形というか、しかしその中からは極上の官能性が立ち上り、ジャズを裏切り絶妙なバランスで宙吊りにしつつ、だがやはり紛うことなきジャズの愉楽へと導いてくれるのだ。


試聴