あうとわ~ど・ばうんど

John Lewis / Jazz Abstractions

廉価版再発から。

ジョン・ルイスのアルバムにおけるエリック・ドルフィー参加作品は、聴かず嫌いというわけでもないのだが、なんとなく聴かずに過ごしてきてしまった。が、最近、オーケストラUSA「デビュー」や、ジョン・ルイスワンダフル・ワールド・オブ・ジャズ (+2)」が立て続けに廉価再発されたことにより、「Sextet of Orchestra USA」(「PLAY KURT WEILL」)以外はひと通り聴いたことになるだろうか。

本作は1960年12月19〜20日の録音、ちなみに翌日がオーネット・コールマンFree Jazz」およびドルフィー=リトル「Far Cry」の録音日。ガンサー・シュラーとジム・ホール(1曲)が作曲、ジョン・ルイスは監修のみ。発売時点では交通事故により故人となっていたスコット・ラファロに捧げられている。

アルバムはジャズ史的には『サード・ストリーム』が云々という文言をよく見かけるけれど、まあそれは気にせず、参加メンバーのバラエティーを楽しむことにする。ドルフィー、オーネット、ビル・エヴァンスジム・ホールスコット・ラファロジョージ・デュヴィヴィエ・・・・・と前衛系が顔をそろえる(一般的なイメージと異なり、私はビル・エヴァンスジム・ホール耽美派の仮面を被った変態ととらえているわけだが)。

序盤2曲にはドルフィーは入らず、1曲目でオーネットがフィーチャーされる。こう言ってはなんだが、オーネットも自作曲以外では魔法のかかり具合が弱いかもしれない。3曲目「ジャンゴ変奏曲」ではオーネットが抜け、ドルフィーが入る。ドルフィーはフルートソロもあるが、さほどの活躍ではない。最後の「クリス・クロス変奏曲」で、ドルフィーVSオーネットが実現するが肩すかし気味。ただしドルフィーはアルト・フルート・バスクラを駆使して主役級の扱いで、バスクラでラファロとデュオになるパートがハイライトだろうか。

とはいえ、これらの面子を愉しむアルバムではないなあ、というのがやはりの感想。むろん不満の解消には、オーネット・ドルフィー・ラファロらが翌日録音した「Free Jazz」を聴けば良い。