あうとわ~ど・ばうんど

Hugues Vincent 「チェロによる即興」

11日:札幌くう
Hugues Vincent 2days ユーグ・ヴァンサン「チェロによる即興」2日連続公演(2日目)
Hugues Vincent(cello) 瀬尾高志(b) 横山祐太(tp) 上地正彦(p)

第1部はユーグ=瀬尾デュオから。ユーグ・ヴァンサンの名はどこかで知っていたが、観るのも聴くのも初めて。チェロは背景に強固な西洋音楽の素養ある演奏家が多い(むろん他の楽器にそれが無い、という意味でなく、とくにチェロという楽器にはその『牙城』というイメージが強い)だが、ユーグもその例に漏れず、そのうえで卓越した即興表現力をもつミュージシャンで、瀬尾との“弦楽二重奏”の響きに酔った。
続けて祐太と、これまた初めて知る上地氏がデュオ。祐太は3年前夏の上京以来たしかな成長が感じられ嬉しく、そんな祐太に対する上地氏のピアノは、非常に理知的というか論理的というか、受け止めつつ躱し超越しつつ挑発するプレイで唸らせてくれた。
第2部は4人全員で。ユーグが中心になりつつ瀬尾も場を鼓舞し上地氏も絶妙な間合いで対峙、祐太が絡む時間が少なかった気がするがこれは経験の差によるものかしかし今後の成長に期待しよう、という雰囲気であっという間の1時間弱だった。


終演後、上地氏にピアノがすごく良かったと語りかけたのをきっかけに話していたら、当ブログを時々読んでくれているらしいことが判明し、吃驚するやら恐縮するやら赤面するやら。(ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします)


また、物販にてユーグの新作を購入。

Bobun: Suite pour Machines à mèche
Frantz Loriot & Hugues Vincent
Creative Sources, 2012
Frantz Loriot(viola, objects) Hugues Vincent(cello, objects)

なるほど。ライブを観たおかげで、あの音やこの音はこうして出しているんだな、ということがよく分かって楽しい。
ところで、この Creative Sources というレーベル。Clean Feed と同じポルトガルのレーベルで、カタログには興味深いタイトルが目白押しなのだが、日本にはAmazonHMVはもとよりDUにすらあまり入荷されていないようで、国内販売店には猛省を促したいところである。