あうとわ~ど・ばうんど

Henry Threadgill Zooid / Tomorrow Sunny | the Revelry, Spp

Tomorrow Sunny/the Revelry

Tomorrow Sunny/the Revelry

Henry Threadgill(fl, as) Liberty Ellman(g) Jose Davila(tb, tuba) Christopher Hoffman(cello) Stomu Takeishi(bass-g) Elliot Humberto Kavee(ds)


相変わらず、一筋縄ではいかないサウンドなのである。
同日録音の前作・前々作「this brings us to」2作品のメンバーに再びチェロが加入。アンサンブルの抽象性・稠密性が増しており、それは前作・前々作ジャケの驚くほどのシンプルさと比べても、よくわかる(?)。
スレッギルのフルート、アルトは空間をぐいぐい切り裂くというよりは、異物感と同調性の濃淡の重なり合った境を複雑なステッチで縫うように、或いはつかまえたと思ったらするりと逃れ去る具合にして、こちらの凡庸な感性を心地よく鮮やかに裏切りながら、闊達にすり抜けていく。
エルマンのギター、ダヴィラのトロンボーン・チューバ、ホフマンのチェロによる低音アンサンブル貢献も大きく、さながら強い重力場が時空を歪ませるごときサウンドの進化・深化をあらためて感じさせる。