あうとわ~ど・ばうんど

エリック・ドルフィー没後48周年

今年は、生誕「84」年で、没後「48」年という巡り合わせの年だ。

来年は五十回忌ということになる。

何度も書いていることだが、しつこく書く。

私にとって「Last Date」のジャケは、fontana盤である。(思い出補正が入っていることはむろん認めるが)

実は「聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)」での推薦盤選定に関して、「OUT TO LUNCH」にするか「Last Date」にするか大いに迷った。

Last Date」にしなかった理由の一つがlimelight盤にされては嫌だったから、というのが正直な所である。


Last Date

Last Date


ところで、このアルバムには大変に大きな謎がある。

最終曲「Miss Ann」だ。

ここでのドルフィーのソロは、それまでに録音された同曲のソロたちと、一線を画している。かつての流麗な長いフレージングはなりを潜め、フレーズはぶつ切りにされ、跳躍も激しさを増している。

これ以前の同曲の録音は62年10月のハービー・ハンコックとのライブ盤「Eric Dolphy Quintet Featuring Herbie Hancock Complete Recordings (New York, 1962)」まで遡らねばならず(ちなみに、「Last Date」後の「Last Recordings」でも演奏されていない)、64年6月までの1年8か月の間には一体どんな変遷があったのだろうか。

ドルフィーは変化し続けていた。彼がどこに到達しようとしていたのか、それを知るすべは残念ながら無い。