あうとわ~ど・ばうんど

Ezz-Thetics / George Russell

これまた定番の一枚であるが。

Ezz-Thetics

Ezz-Thetics

むろん、「'Round Midnight」や「Nardis」でのエリック・ドルフィーの素晴らしさは言をまたない。実は今回、久しぶりに毎日ドルフィーばかり聴いてきて初めて感じたことがあって、それはこのアルバムや、23日の「ブルースの真実」や25日の「アウト・フロント」も同じなのだけれど、ややひねった曲調でわりあいかっちりつくられた曲(しかも3管以上のハーモニーが多い)の演奏でのドルフィーの存在感である。こういう構成の時のソロがまた映える。

おそらくドルフィー自身にもそういう志向性はあったのだろう。後年は「OUT TO LUNCH」に顕著なように作曲にも力を入れ(先日読んだ横井一江著「アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡」中にも、ミシャ・メンゲルベルクの言葉として『作曲作業に熱中していた』とある)、あるいは「Illinois Concert」やアイアンマン・セッションのように比較的大きな編成にも手を付けている。それをどんなかたちに結実させたかったのか、もちろん知りようもないのだが。