あうとわ~ど・ばうんど

渋さ知らズを弾く / スガダイロー

渋さ知らズを弾く

渋さ知らズを弾く

10曲55分。スガダイロー(p) 東保光(b) 服部正嗣(ds) 竹内直(ts) 後藤篤(tb) 不破大輔(b)
スタンダードを新たな切り口でカバーした「Jazz Samurai」という作品があったが、それを渋さ知らズのナンバーにも用いた、と言えば、当たらずとも遠からず、だろうか。
スガダイローというとフリー・アヴァンギャルド・豪腕といったイメージがあるけれど、アルバムとなると、さまざまな要素を練り込んだコンセプチュアルな作品づくりに徹している(吉田隆一氏によれば、その点ではベクトルの方向は違えど菊地成孔氏に通じるものがある、とのこと)。本作品でも、トリオ+不破大輔ダブルベース編成の時など、アンドリュー・ヒル的官能が顔をのぞかせもする。豪腕イメージの強いスガ氏だが、繊細表現にこそ凄みを感じさせる。