あうとわ~ど・ばうんど

Onecept / David S. Ware

ONECEPT

ONECEPT

9曲65分。David S. Ware(ts, strich, saxello) William Parker(b) Warren Smith(ds, tympani, per)


デヴィッド・S・ウェアの復活ライブ(「SATURNIAN (SOLO SAXOPHONES, VOLUME 1)」=3月13日参照)の2ヶ月後、ウェアのサックス生活50周年メモリアルライブの演奏。

黄金カルテット解散後、病に倒れるまで率いたニュー・カルテット(「Shakti (Dig)」=昨年2月8日参照)からギターのジョー・モリスが抜けたトリオ。最近はこのトリオとソロがメインの活動のようである。

ショップインフォで曰く『還暦を迎えても咆哮の衰えを感じさせない』であるとか『ブローを撒き散らす』であるとか書かれているが、はっきりいって、そんな領域は超えてしまっている。

黄金カルテット時代の咆哮では聴いているこちらの血をどこまでも沸かせたが、本作は、復活作「Saturnian」の時と同じで、咆哮するほどにこちらの意識を冴えさせる。もはや熱さも凄みも関係ない、ウェアという人間そのものが音となって表現されている。それで十分。そんな気にさせられる。

かつて黄金カルテットで極めた高みとは違う、おそらく別の高みに向けたウェアの新しい歩みが始まっているのだ。たぶん。