あうとわ~ど・ばうんど

Wisdom of Uncertainty

連休中に、なにげなく訪れたブックオフで、ひょいと見つけた一枚。

Wisdom of Uncertainty

Wisdom of Uncertainty

AUM Fidelity の記念すべきファーストアルバムでもある。

David S. Ware の新作「SATURNIAN (SOLO SAXOPHONES, VOLUME 1)」は、なにやら聴き続けるのがつらいような非常に重い作品で、それについて、ある知人は『彼の死期が迫っているのではないか。なにか確実に違う音がしている。しかしだからといってぼちぼち鬼籍の人になる、という予言めいた事ではなく、漠然としたなにかこう一人の音楽家が生涯を通じて音楽を続けるという事、それの最期の期間に訪れるもの、と感じる』と評した。

対して、遡ること14年前のこのアルバムは、生の活力・勢いが縦横無尽に溢れだすような精気に満ち満ちた演奏である。とはいえ、それは同時に、自分自身を切り苛み、サックスのベルから自らの血潮を噴出・拡散させるようなものでもある。そうした演奏を、このアルバムだけでなく、デヴィッド・S・ウェアは何十年にもわたって繰り返してきたのだから、それは、死に瀕する大病にもなってしまうのだろうなぁ・・・・・などと考えた。