あうとわ~ど・ばうんど

Resonance

この作品は本来LPで、レコードプレーヤーを持っていないぼくは初手から聴くのを諦めていたのだが、幸運にもさまざまな方のご厚意が重なり、こうして、CDRとはいえアルバムを聴けることとなった。お手を煩わせることになったにもかかわらず、ぼくの我儘に快く応じてくださった方々に、まず、謝意を述べたい。大変ありがとうございました。

Resonance/Ken Vandermark」(not two)。08年、2曲38分。
Ken Vandermark(ts, bs, cl) Yuriy Yaremchuk(ts, ss, bcl) Mikolaj Trzaska(as, bcl) Mark Tokar(b) Steve Swell(tb) Dave Rempis(ts, as) Per-Âke Holmlander(tuba) Tim Daisy(ds) Magnus Broo(tp) Michael Zerang(ds, per)

ヴァンダーマークをリーダーとした、米・ウクライナポーランドスウェーデン混成のアンサンブル。
お世話になったお一人(先日『アローン・オーケストラ』(28日参照)を聴かせていただいた方)が、アローン・オーケストラとの類似点を指摘していた。曰く『30年前に梅津さんたちがやっていたものに近い音楽を、現在の米欧のミュージシャンが演奏していることが、非常に感慨深い』と。
たしかに似ているように思う。が、ヴァンダーマークたちは古いジャズを演奏しているわけではない。時と場所を隔てても変わらないジャズの本質の一つが、双方で表現されている、そうした好例なのではないかと思う。