あうとわ~ど・ばうんど

坂田明 & ちかもらち

いやはや、モノ凄いものを観させてもらった。
昨夜は、札幌ジッピー・ホールへ。

坂田明 & ちかもらち ジム・オルークと恐山:内乱の内覧
坂田明(as,cl,vo,etc) Jim O'Rourke(g,syn) Darin Gray(b) Chris Corsano(ds)

ズボンで」とか「およばれ/tetrodotoxin」とか「かなしい/エクスプロージョン」とか、毎年のように『収穫』に選んでいる、坂田明ジム・オルーク絡みプロジェクト。それが生で観られる(厳密に言うと、この4人だけのアルバム、というものは存在しないのだが)というので、非常に楽しみにしていた。
結論から言えば、最高極上至福であった。実は生で観るのが10数年ぶりであった坂田明は、容貌はたしかに年相応なのだけれど、相変わらずのふくよかな若々しく瑞々しい音で、グギャーーーッッと一発KOしてくれる。もちろん一発では終わらず、延々と、持続的な、ほとんど拷問とも呼ぶべき快楽の嵐なのだけれど。そして、生は初めてのクリス・コルサーノのドラムがとっても素晴らしくって、坂田を徹底的に鼓舞しまくるのだった。
この時のぼくの内部の状態はと言うと、これは田中啓文さんの小説「辛い飴―永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)」の一節なのだが勝手に引用してしまうけれど、
『すごいぞ、なんじゃこりゃあ、死ぬうっ、笑うしかねえ、もっとやれ!』(39頁)
といった具合で、とにかく興奮の坩堝だった。
今年のベストライブ候補。