あうとわ~ど・ばうんど

Live at the Lighthouse

レコードは見つけたときに買え。CD時代の今も変わらぬ格言である。この作品も、何年か前、ああ出たなあそのうち買おうかなあ、と思っていたら、あっという間に姿を消してしまった。のちに中古で入手したが、高かったなあ。
エルヴィン・ジョ-ンズ・ライヴ・アット・ザ・ライトハウス
Elvin Jones Live at the Lighthouse」(blue note)。72年、全8曲82分。Elvin(ds)Gene Parla(b)David Liebman(ss,ts)Steve Grossman(ts)。
なんといっても、リーブマン、グロスマンのツーサックスが白眉だ。一般ジャズファンはグロスマンの方が好きらしいが、ぼくは、偏執的狂気を感じさせるリーブマンが好きだ。
ところで余談。2人はともにマイルス・グループに参加しているが、アルバムが録音された72年9月は、グロスマンが退団後2年、リーブマンは入団直前の時期である。ただし、リーブマンは3ヶ月前に既に「ON THE CORNER」吹き込みに参加している。リーブマンの証言によると、彼が同作品に参加したのはグロスマンのトラだったという。退団後2年になるグロスマンを本当にレコーディングに呼んでいたのか疑問もあるが、同作にはハンコックやチック、デジョネット、ベニー・モウピンらも参加しているようなので、ありえない話ではなさそうだ。録音後、マイルスはリーブマンにグループに入れと言った。だがリーブマンは参加しなかった。そしてエルヴィンのグループでツアーに出て本作を残した。一方マイルスはやむなく(?)「On the Corner」に参加したもう1人のサックス奏者カルロス・ガーネットをグループに入れてツアーに出かけ、同じ72年9月に、電化マイルス作品中(おそらく)最も評価の低い「In Concert: Live at Philharmonic Hall」を残すことになってしまった。歴史のいたずらとは面白いものである。
余談が一番長かったなあ(笑)。