あうとわ~ど・ばうんど

Clay

クレイ
ここのところフリージャズばかり聴いているが(いつもじゃないか。という説もあるが)、うーん、やっぱり大好きなんだなあ。今日は時代を遡って、古典的名作を。「クレイ山下洋輔トリオ」(enja)。74年、全2曲43分。山下(p)坂田明(cl,as)森山威男(ds)。
以前にも書いたが、小山彰太が参加する第3期が個人的には好みなのだが、第2期が“最強トリオ”であるということに異存はない。アルバムは、その第2期トリオが衝撃のヨーロッパデビューを飾ったときのもので、まさに『衝撃』が伝わってくる。観客の声や拍手が、実に生々しい。ありのままの録音と信じたいが、仮にミックスで前に出したのだとしても(演奏前の観客の声が近すぎる気がしないでもない)、作品として成功しているので評価できる。
演奏は本当にもう、これ以上の完成度はありえないんじゃないかというぐらい素晴らしい(個人的には、②「クレイ」で坂田明のアルトが切り込んでくる瞬間が最も好き)。このアルバムを聴いて興奮できないような人は、一生オスカー・ピーターソン聴いてろ(笑)。
最近エンヤが旧タイトルをリマスター再発しているが、この作品も日野皓正の「タローズ・ムード」みたいに、当日のステージ(アルバムの2曲は2、3曲目。1曲目は「ミトコンドリア」で、アンコールの4曲目が「グガン」)を完全再現したコンプリート盤を出してほしいものだ。