あうとわ~ど・ばうんど

The Trumpet Player

Avishai Cohenというトランペッターがいる(一般的には、同姓同名のベーシストのほうが知名度が高いかも。そのためか、Avishai E. Cohenと称することもあるようだ)。もっとも自分は彼の作品を1枚しか持っていないが、一時期かなり愛聴した。それが「The Trumpet Player」(2003年)だ。全7曲57分。Cohen(tp)John Sullivan(b)Jeff Ballad(ds)Joel Frahm(ts)。
3曲でテナーが加わるが、残る4曲はトランペット・トリオという挑戦的な編成。演奏も、いやはや凄まじいの一言。ジェフ・バラードの叩き出す新感覚ビートに乗って、何かに取り憑かれたかのように延々と切れ目なくトランペットを吹き続ける。ややフレージングが一本調子になったりニュアンスに欠ける部分もあるが、勢い、集中力、パワーはそれを補って余りある。「The Trumpet Player」というズバリ直球勝負のタイトルに偽りなしの快演だ。
高速テンポで疾走する①「The Fast」、ゆったりしたテンポから始まり次第に熱くなる②「The Trumpet Player」、一転して情緒あふれるコルトレーン作③「Dear Lord」、テナーの高速フレーズをガッチリ受け止めテクニカリーに応酬する⑤「Idaho」など、どの曲もシビレる。