あうとわ~ど・ばうんど

Life is a Beautiful Monster

なぜ、昨年の【海外部門】ベスト5(12月28日参照)を選ぶとき、このアルバムのことを失念していたのだろう。いくら気分で選んだとはいえ、こんな大事な作品を忘れていたなんて不覚だ。第1位がElectric Masadaであることに変わりはないが、第2位は、この「Crimetime Orchestra feat. bjornar andresen/Life is a Beautiful Monster」ではないか。
ノルウェーのフリージャズ(スモール)オーケストラ。Vidar Johansen(ts)Jon Klette(as)Kjetil Moster(ts)Oyvind Braekke(tb)Sjur Miljeteig(tp)Anders Hana(g)Bugge Wesseltoft(syn,effects)Ingebrigt Haker Flaten(elb)Paal Nilssen-Love(ds,per)Bjornar Andresen(b,effects)。全8曲65分。
このグループのサウンドの要はリズムセクション。ニルセン・ラヴのドラムは言わずもがな。フラーテンのベースはエレクトリックでも物凄い音圧だ。ハナのギターも凶暴で素晴らしい。録音3週間後に急逝するアンドレセンのベースも豊かだ。だが特筆すべきはブッゲのノイジーなエフェクト。1曲目「Life is a Beautiful Monster part1」冒頭の、不自然なまでに長い、でもほぼ完璧な長さの(矛盾してるようだが)エフェクト音にしびれる。ホーン陣もなかなかだ。特に2人のテナーが素晴らしい(ただし、知識がないので名前と音が一致しない;苦笑)。まるで突き刺さってくるがごときホーンセクションの硬めの音色は、録音の加減なのだろうが、実に効果的に響く。
1−7曲目は、「Life is a Beautiful Monster part1−7」として、組曲的に演奏される。どの曲が好きかと訊かれれば、20分以上にわたって壮大な音の活劇が繰り広げられる4曲目だが、どれも素晴らしい。名盤だと思う。