あうとわ~ど・ばうんど

SAIFA

佐藤允彦&SAIFA/Live at Moers〜Tribute to 富樫雅彦」がようやく届く。今年のメールスで富樫の曲を演奏するため、佐藤が編成したテンテット。佐藤允彦(arr,cond,p)峰厚介(ts)山口真文(ss)多田誠司(as)田村夏樹(tp)松本治(tb)山城順子(btb)加藤真一(b)安藤正則(ds)岡部洋一(per)。全5曲。
微妙に不思議な顔ぶれ。演奏そのものは、伝統とフリー、インプロとポップを自由に行き来、メリハリをきっちりつけた、言ってみればほとんど様式美とすらいえるフリージャズオーケストラ(別にけなしているわけではない。それで1時間近く飽きさせないから大したもの)。
御大のピアノや峰、山口のサックスはさすがの貫禄。田村のトランペットも相変わらず鋭い。驚いたのが多田。以前から薄々感じてはいたが、オリバー・レイクやアーサー・ブライスを思い出させるコクのある太い音が、フリーに実にマッチしている。個人的には、人を食ったような不自然な休止を含むテーマ、山口と田村がしっかりと個性を発揮する4曲目(実際のトラックナンバーは5曲目)「Mr. Joke」が印象に残った。