カフカ鼾 / nemutte
カフカ鼾の新作を聴く。
- アーティスト: カフカ鼾(Jim O'Rourke)
- 出版社/メーカー: felicity
- 発売日: 2016/10/05
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
前作「okite」は、カフカ、絞首台とおぼしきジャケ写真から「掟」だと思っていたのだけれど、2作目が「nemutte」なので、実は「起きて」だったのかと驚いた。が、ミスリードを誘っていたのでなく、元からダブルミーニングだったのではないか、とも考えたのだけれど、じゃあ「nemutte」に別の意味があるのかと問われれば、試しに語変換してみても「音夢って」とか「合歓って」と誤変換されるのみで、とりたてて同音異義語もないようであり、やはり最初から「起きて」だったのかもしれない。ということはさておき、前作は細波が次第に徐々に少しずつやがて大きなうねりと化すドラマチックな音楽だったけれども、今作は波紋が一つ静かに広がると次の波紋が重なりさらに別の波紋がといった具合に十重二十重に連なり逆順を辿って静けさに至る対照的な音楽と感じた。やはり前作は「起きる」音楽で、今作が「眠る」音楽ということになるのだろうか。
Konstrukt & Alexander Hawkins 10.08.15
未聴作が溜っている OTORoku のダウンロードアルバムより。
Konstrukt & Alexander Hawkins 10.08.15
(OTORoku, 2016)
Korhan Futacı(as, ts, gralla, flutes, voice, loops) Umut Çağlar(elg, zurna, gralla, fl, tape echo, rythymbox) Barlas Tan Özemek(elb) Berke Can Özcan(ds, electric drum module) & Alexander Hawkins(p, melodica)
Konstrukt は、08年に結成されたトルコのフリージャズグループ。これまでに20枚近いアルバムをリリースしており、その多くが本作のようにゲストを迎えたコラボ作品である。アレクサンダー・ホーキンス以外の共演者としては、ペーター・ブロッツマン、エヴァン・パーカー、ジョー・マクフィー、坂田明、マーシャル・アレン、ウィリアム・パーカー、サーストン・ムーアなど錚々たるビッグネームが並ぶ。にもかかわらず彼らの音楽を聴くのはこれが初めてなのだけれど(苦笑)、大御所の名に寄り掛かることなく、日本の所謂中央線界隈で髭面のジャズマンたちが演奏している演歌もブルースもロックもワールドミュージックも呑み込んだフリージャズ(←偏見)に通じる感性を彼ら単体のサウンドからも感じるのであって、いずれ単独作品も聴いてみたいと思った。
試聴