あうとわ~ど・ばうんど

Switchback - Live in Ukraine

マーズ・ウィリアムスの新譜を聴く。


Switchback - Live in Ukraine
Multikulti Project, 2016)
Mars Williams(saxes, toys) Wacław Zimpel(clarinets, tarogato, shrutibox) Hilliard Greene(b) Klaus Kugel(ds)


昨年ベストの一枚にも選んだ Switchback の新作は、昨年4月のウクライナにおけるライブ(ちなみに、前作もタイトルには明記されてないがドイツでのライブであった)。さぞや怒涛狂乱のライブが・・と期待しまくりで聴いてみたら、意外やそういった成分は思っていたほど多くはなかった(むろん少なくはない)ものの、いやいやご心配召されるな、マーズもジンペルも根本的な吹奏技術はフリージャズという括りを取っ払ってジャズ界全体でみてもトップクラスなのであって、徹頭徹尾吹きまくるというのもそれはそれでけっこうだが、緩急硬軟に何をやっても圧倒的(グリーンやクーゲルも同様)であり、次から次へとさまざまな要素に満ちた場面が現れては快楽が押し寄せる展開が続いていく。なお、ライブの場、というのが影響しているのか、全体に東欧的趣きが通底しているようにも感じられる(最後にウクライナのトラディショナルが披露されてもいる)。次作も待ち遠しいぞ。


アルバム収録時のライブ映像
www.youtube.com
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