Joe McPhee & Chris Corsano - 25.7.12
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Joe McPhee & Chris Corsano - 25.7.12
(OTOROKU)
Joe McPhee(ts, ss, pocket tp) Chris Corsano(ds)
ジョー・マクフィーとクリス・コルサノのデュオは、ROARATORIO レーベルからの2枚のLPや、「Dream Defenders」というデジタルアルバムが出ている。そのどれも聴いていないので比較はできないが、本作での2人は激しさよりも安らぎを基調としたようなデュオインプロヴィゼーションを展開する。マクフィーの音は、たった一音で、いや、息を吹き込むズズーという音ですら、形容詞もカギカッコも必要ないジャズの血潮があふれだす。多くのジャズマンにリスペクトされている所以が分かろうというもの。演奏中、「家路」風のメロディーを吹いたりして、アルバート・アイラーとはまた違ったヴィブラートで、心を揺り動かしてくれる。コルサノのドラムも絶妙だ。
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The Apophonics 27.11.13
引き続き OTOROKU のダウンロードアルバムを聴く。
THE APOPHONICS 27.11.13
(OTOROKU)
John Butcher(sax) John Edwards(b) Gino Robair(energised surfaces)
「出したらあかん音」の王者ジョン・ブッチャーが参加する The Apophonics のライブで、このグループには先行作(13年11月17日参照)がある。「出したらあかん音」というのはレトリックであって、もちろんそんな音は存在しない。ブッチャーの出す多種多彩な音には全て意味があり、必然があり、そう発せられるしかなかった音たちだ。そんな音たちを集めた音楽全体は、超上級のエンタテインメントに昇華させられていて、聴後感は極上の(いわゆる)ジャズを聴いた時のそれと変わらないのだから、やっぱりさすがである。
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Fred Frith / Therasa Wong / John Butcher - Quintillions Green
OTOROKU から、さらにジョン・ブッチャー参加作を聴く。
Fred Frith / Therasa Wong / John Butcher - Quintillions Green
(OTOROKU)
John Butcher(saxophones, feedback) Theresa Wong(cello, voice) Fred Frith(guitar, voice)
前エントリで「ブッチャーの出す多種多彩な音には全て意味があり、必然があり、そう発せられるしかなかった音たちだ」と書いた。こういう音楽を聴きつけない人たちには、たぶんすべて同じように聴こえているかもしれないが、ブッチャーの場合、編成によって、音楽性によって、ということはもちろん、その「場」によって、その瞬間によって、それぞれに違う必然の音たちが鳴り響いている。ということにも感嘆するほかないのである。
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