あうとわ~ど・ばうんど

藤井郷子オーケストラ東京 / Peace

藤井郷子オーケストラ東京の新作を聴く。

ピース (Libra217-039)

ピース (Libra217-039)

早坂紗知(ss, as) 泉邦宏(as) 松本健一(ts) 木村昌哉(ts) 吉田隆一(bs) 田村夏樹(tp) 福本佳仁(tp) 渡辺隆雄(tp) 城谷雄策(tp) はぐれ雲永松(tb) 高橋保行(tb) 古池寿浩(tb) 永田利樹(b) 堀越彰(ds) + Christian Pruvost(tp) Peter Orins(ds)


藤井オケ作品は逐一追いかけているわけでないけれど、おととしライブを観て好印象を残した KAZE(14年10月1日参照)が、その後にオーケストラ東京と共演したのが本作というので、購入に至った。オーケストラ東京の拡張版とも、KAZE の拡大版とも受け取れるが、まあ定型のないのが定型という側面もあるオーケストラ東京の範囲内ではあると思う。最終曲が懐かしい響きのするオーケストラジャズで、それが意外や新鮮。

早坂紗知 / 2.26 バースデイ・ライブ 30周年 feat. 山下洋輔

2.26 バースデイ・ライブ 30周年feat. 山下洋輔 (N-015)

2.26 バースデイ・ライブ 30周年feat. 山下洋輔 (N-015)

早坂紗知(ss, as) 山下洋輔(p) 類家心平(tp) RIO(bs) 永田利樹(b) 本田珠也(ds)


最近しばらく、早坂紗知さんも山下洋輔さんも新譜を追いかけていなかったが、30周年記念の2.26ライブで、山下さんの名オリジナル「バンスリカーナ」(私がフリージャズ愛好者なんて希少種になりはててしまったのは「モントルー・アフター・グロウ」における同曲を聴いたせいである。05年11月8日参照)と早坂さんの名オリジナル「カナビスの輪」(「'99 / 2.26ライブ (N-002)」で同曲を初めて聴いていたく気に入って、一時期は毎朝目覚まし時計代わりに同作をタイマー再生していたほどである)という必殺曲が収録されているとあれば、買うしかないと思った次第である。

ところで早坂さんの音楽は、サックスの技術もさることながら、いわば「エキゾ・ノスタルジック」(今つくった言葉)とでもいうべき選曲で、かなり得をしていると思う。これはべつに揶揄ではなくて、そういう曲想だと彼女が歌いやすくブロウしやすい、つまり彼女の魅力が十分に発揮されるという意味で、むしろ美点だと思っている。ちなみにアルバムはハレの日のお祭りセッションという印象であるが、記念すべきライブに同じ誕生日のつの犬氏はなぜ参加しなかったのだろう?